2020.05.12

コロナ離婚の注意点

神戸の法律事務所、明石恵典法律事務所です。

 

4月以降、コロナ離婚という言葉がネット上で飛び交っているのを見てきました。確かに、仕事の形態の変化や、学校等閉鎖による子供達の世話の負担増、収入の低下等、コロナショックは家庭生活にも様々な影響を及ぼしています。このような異常事態の中で、夫婦がお互いにストレスを溜め、険悪になり、夫婦関係にヒビが入ってしまうことは、確かにあるのかもしれません。

 

とはいえ、コロナ離婚という言葉を聞いて離婚を意識し出したとしても、すぐに離婚に向けた行動を起こすのではなく、本当に離婚をすることが良いのか、一度ゆっくり考える必要があります。

 

離婚をする際に決めなければならないこととして、①親権、②養育費、③面会交流、④財産分与、⑤慰謝料、⑥年金分割の6つがあります。コロナ離婚を検討する上では、②の養育費が特に大きな問題となってくるものと思われます。

 

養育費を算定する上では、養育費算定表が重要な資料となります。そして、養育費算定表によって養育費を算定する場合に必要な情報が、夫と妻の年収です。

 

この年収を把握するための資料としては、給与所得者であれば「直近の源泉徴収票」、個人事業主であれば「直近の課税証明書・所得証明書」が利用されます。

 

もっとも、直近に収入が変動した場合は、給与所得者であれば「直近の給与明細」、個人事業主であれば「直近の月次報告書等」が年収を把握するための資料として用いられます。

 

コロナショックにより収入が大きく変動した場合は、コロナショック後の収入を基礎に年収が推定され、養育費の額が算定されるため、子供の親権を得た方からは、当初想定していたよりも低い養育費の額しか認められない恐れがありますし、親権を得られなかった方が軽々に養育費の合意をすると、早々に払いきれなくなる可能性があります。

今後の夫婦関係を悩まれている方は、是非一度、離婚を専門に扱っている弁護士に相談してみて下さい。

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