2020.05.25

経営改善を目的とする人員整理について[その1]

神戸の法律事務所、明石恵典法律事務所です。

 

コロナウィルスの影響により会社の経営状態が悪化したことから、人員整理、すなわち従業員の解雇を検討される経営者の方も多いのではないかと思われます。もちろん、人員整理をせずに会社の経営状態が改善するに越したことはありません。ただ、人員整理を躊躇い、会社が倒産してしまっては元も子もありません。

 

人員整理を行うに当たっては、後のトラブルを避けるため、まずは対象となる従業員と十分に協議し、合意による退職を目指すのが定石です。

とはいえ、この不況下、従業員の方々もすぐに再就職ができるか、先行きは不透明です。このため、退職の合意を取り付けることが困難になることも予想され、その場合は、解雇を検討することになります。

 

ただ、先ほども述べた通り、再就職が困難となることが予想される現状では、解雇を言い渡した従業員が、自身の生活を守るため、会社に対し解雇の無効を主張して法的措置に打って出る可能性は通常よりも高いと考えられます。そして、仮に法的措置に打って出られた場合、解雇をした従業員に金銭を支払うことになり、経営状態が一層悪化してしまうことも、十分あり得るところです。

経営改善のために行った人員整理によって、会社の経営が一層悪化してしまうおそれがあるのです。

 

したがって、解雇は慎重に行わなければなりません。

解雇には、「普通解雇」「懲戒解雇」「整理解雇」の3つの態様があり、解雇が認められる要件も厳格に定められています。次のブログでは、3つの解雇の内、経営状態が悪化した際に検討される、「整理解雇」について書こうと思います

 

 

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